今全米で話題沸騰中のこの映画
「Crazy Rich Asian」(邦題クレイジーリッチ)
観てきました!
なぜ邦題はAsianの部分を取っ払ったのか。その訳も添えて今日のムービーナイト行ってみよう!
はい。まずはこの映画。
ハリウッド映画でも類を見ないほどのほとんどのキャラクターをアジア(中国)系の俳優女優でキャスティングされています。これは93年の「ジョイラッククラブ」以来ということです。
あらすじは生粋のニューヨーカーのアジア系アメリカ人の主人公が大金持ちの恋人の母国であるシンガポールで彼の家族と会うという姑バトルの話。
しかし!
個人的にタイトルをなぜ「Crazy Rich Asian immigrants from China」(中国から移民した大金持ち)にしなかったのか疑問です。
というもの!出てくる俳優女優確かにアジア系ですが、ほとんどが華僑つまり中国系なのです。韓国系の女優さんが中国系ではないからという理由でオーディションに落とされたのも問題になりました。
アジア人讃歌の映画にしたいならアジア人=中国系と限定するべきではなかったと思います。
自分にとってはそこがこの映画を見ていて一番のノイズになりました。結局アジア人って中国系で韓国系や日系などの他のアジア人は除外されているのね、と。(例外はソノヤミズノという日系イギリス人のみ)
それともう一つ気になったのは、この映画は結局富裕層の暮らしだけしか描いていなくて、貧困層を完全に除外しているという点です。もちろん映画のストーリー上の趣旨はあります。しかしアジアといえば台湾の夜市だったり、広場での朝の体操だったりそういう庶民的なシーンこそが一般的にいうアジア文化を形成しているはずなのに、なぜかそこはすっぽり切り落とされ、中国系シンガポール人のみでキャスティングされた俳優たちによる富裕層だけのやりたい放題パーティを2時間も延々とスクリーンで見せられるのは正直退屈でした。
庶民として生まれ育った僕としてはこの映画なら断然日本や台湾のラブコメの方が好みです。笑
アメリカにおけるアジア人(中国人)のステレオタイプだけを切り取って作られたような映画でした。ちなみに友達の中国人(留学生)もいくら何でもステレオタイプが過ぎると憤慨しておりました。笑
両親がアジア人でアメリカで生まれ育ったアジアンアメリカンにとっては面白い映画なのかもしれません。
もちろん良いシーンもありました。伏線もしっかり最後に回収していました。
しかし物語にカタルシスがない。お金持ちなら何しても何でもおっけーという感じにしか聞こえません。
黒人讃歌映画として大成功を収めた「ブラックパンサー」と比べても、アジア人讃歌の映画としてはぶっちゃけ疑問です。
この映画は日本では流行らないでしょう。
それこそが邦題がCrazy Rich AsianからAsianを省いてクレイジーリッチになった理由ではないかなと思います。
最後にアジア人=中国系だけではない。ということ。この映画のイメージをそのまま全てのアジア人に持たれても困るなあという話です。
☆2.9
9/5 Regal Cinema
モーくん。
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