どうもモーくんです。退屈な土曜日の夜下がり、皆さんはどうお過ごしでしょうか?
私はですね、先日某マリオットホテルで無料で開催された某S社主催の「これからの時代、Amazonでどう勝っていくか?-」という2時間の怪しいワークショップイベントに参加して来ました。
簡単にいうと「無料でお金を稼ぐ方法を教えます」イベントのアメリカ版🇺🇸です笑
今回はその散々だったwイベントの監視結果を報告していきたいと思います!
結論からいうと甘かった。。
最初は今ノリに乗っているマーケットプレイスであるAmazonでどうやって出品してビジネスを立ち上げるかどうかのノウハウを教えてもらえるワークショップだと思っていました。
しかし「無料」で「お金を稼ぐ方法を教えます!」とうたっているようなもんなイベントだからこそ裏があるはずでした…
まず某マリオットホテルに着くと豪華な会場に案内され、きらびやかな照明の下プロジェクターとスクリーンセットが用意され、いかにも信頼できそうなちゃんとしてそうなイベントの雰囲気を感じました。ゲストはほとんどが中年以上の白人夫婦。学生は私とGfのZiちゃんだけのようでした。
その後、黒のスーツ姿でメインスピーカーの某Gが颯爽と登場。
「我が社はこうした無料のイベントを全米各地で開催しています。東はシカゴから西はシアトル、ソルトレイクシティそしてLAにまで足を運び、皆さんの人生を少しだけ裕福にするためのお手伝いをさせていただいております。」
彼がどうやらこの会社のトップのようで最初からエンジン全開、彼の豪遊生活の自慢話が始まりました(すくりーんに映し出される彼のチャーター機や真っ赤なクラシックカーのマスタング、クルーザー、そして海を一望できる豪邸)。
彼は言いました。
「我々がこうした無料イベントを各地で行うのには訳があります。それは私はこれを全部皆さんに実現して欲しいと本気で願っているからです。私は本気です。」
そして彼は今日の朝から晩まで忙しく休む暇もないサラリーマンを例えに出し、こんなこともうあなたたちはしなくて良いんです。と泣きそうな顔で言いました。
それから話は今いかにAmazon市場がアツいかという説明に移ります。AmazonのWarehouseがどう動いているのかのニュース動画から彼はいかに全世界の人々がAmazonで買いものをしているかということをスライドショーに映し出される様々な数字を巧みに使いゲストを説得していきます。
そして彼はもし当てはまっていたら挙手するように聞きました。Amazonを知っている人?Amazonで買い物をしたことがある人?Amazon Primeメンバーの人?大方の予想通り会場のほとんどのゲストは挙手をしてました。そして彼はこう続けました。
Amazonに出品したことがある人?Amazonでサプライヤーとしてビジネスをしている人?
途端に挙手は二人だけになり会場は唖然とします。
「こういうことなんですよ!?皆さんわかりますか?今この瞬間1秒1秒で300件の注文がAmazonで行われているのです!その今最もアツい市場で出品しないとは何事ですか!!!!」
「私たちが教える豊富な知識、ノウハウそして1対1のメンター制度によってあなたの人生は変わるのです!」
「もうそちらの貧乏なサイドにいるのはやめましょうよ?こっちの豪遊サイドに来ても良いじゃないですか?」
「お金を稼ぐのは決して悪いことではありません。ガポガポしましょうよ?」
モーくんはここで一つ気がつきました。それは彼の卓越したスピーチと表情、そして時折ゲストの名前を彼の例の話に織り交ぜたり呼びかけることによって完全に会場の雰囲気を我が物にしているということ。(受付でわかりやすい大きい文字で自分の名前の書いてあるネームタグを服の一番見えやすい位置に張るように指示されたのもこれが本当の狙いだったのかも)
そしてイベント開始から1時間半、いつそのノウハウを教えてくれるのだろうとゲストが我慢できなくなったタイミングでGはこう切り出したのです。
「我が社の3日間の講座を受講すれば、あなたもその日から豪遊ライフの一員となることでしょう!」
(ちなみにこの3日間の設定時間もまた秀逸で金曜日の夜、土曜日そして日曜日と完全にサラリーマンのスケジュールを考慮した上での3日間となっている)
やはりこう来たか!さあいくらだ?その講座は一体いくらかかるんだ?会場の雰囲気は一気に張り詰めて行く。
彼は言いました。「通常なら$2000でオファーしているこの講座、ええいAmazonはあなたたちワシントン州が本拠地ではないですか!いいでしょう。皆さんだけということで、ご当地特別価格といたしまして$1000を切って$997でどうでしょう!?特別にあなたともう一人のお友達、お二人で$997といたしましょう!!!」
そしてGは驚くべき行動に出た。hpのラップトップを取り出し(絶対一番安いやつw)
「また特別に受講者全員にこの素晴らしいラップトップをプレゼントしたいと思います!」
「なぜかって?理由は簡単!我が社の講座を受講すればもう通勤しなくても世界中のどこからでもお金が稼げるようになるからです。このラップトップさえあればビーチだってあなたのオフィスになってしまうのです!」
会場のボルテージは最高潮に達していた。そこでGは最後のトドメを刺したのであった。
「講座の初日でもし内容にご満足いただけなければ全額返させていただきます。まあ過去に誰一人としてそんなことはしなかったがねえ。なぜだかわかりますか?なぜなら初日から受講者全員はロックンロールするからさ!」
会場は総立ち。とはいかないが少なくとも5人は感心した眼差しでGを見つめていた。
その後、イベントは終了し各個人で3日間の講座の登録という流れに。
ご察し、$997という価格関係なしに会場の1/3の人は早速登録の手続きを始めた。
さあこれは大変な事態に巻き込まれているという感覚で冷や汗が額を伝う。
「逃げなきゃ」
面白いことに人は窮地に追い込まれるとものすごい集中力を発揮するもので、モーくんはひたすらどうやってここから脱出するか?ただそれだけを考えていた。
Ziちゃんに目配せをし、同時に席から立ち出口のドアへと急ぐ。なるべく視線を上げずに、足早に歩く。出口はもう少しだ。
すると強面の不気味な笑顔の大柄な男が威圧するように「登録のご準備はよろしいでしょうか?」と遮ってきた。モーくんは「No Thank you」と言い、その後のセールスをかいくぐりなんとかイベント会場を後にすることに成功したのだった。
…
呆然。
正直、モーくんは悔しかった。$997という自分にとって不可能な数字を突きつけられたのはもちろん、こんなにも敗北感を味わうのは久々だったからです。そして自分の甘さに腹がたちました。
「無料でお金を稼ぐ方法を教えます」
そんな美味しい話はこの世にあるわけないのです。
今思えばなるほど、Gのあれだけの豪遊生活を実現している収入源は決してAmazonで出品したからではなく、全米各地で集めたこの受講料という訳かもしれません。
ほろ苦い体験談でした。
ただたったの2時間でここまで人の心を動かすGのテクニックは感心というかこれが本場のセールスなのかと良い経験にはなりました。そう信じたい!w
それでは最後までお付き合いありがとうございます。
来週からファイナルなので私はここにて失敬。
モーくん。
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